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C や C++ のソースプログラムをコンパイルするときは、 まずプリプロセスがされて、それから狭義のコンパイルが行われます。 プリプロセスでは #include, #if, #define 等のディレクティブが処理され、 マクロが展開されます。

プリプロセスをするために、 C/C++ の処理系（コンパイラ・システム）には必ずプリプロセッサが存在しています。 近年ではコンパイラ本体にプリプロセッサを吸収した処理系が多くなっていますが、 その場合も内部的には必ずプリプロセスが行われます。

C プリプロセッサは C 言語の誕生のときからずっと存在してきたものです。 しかし、コンパイラに付属したオマケのような存在として扱われてきたきらいがあります。 そのため、規格準拠性が不十分だったり、処理系独自の動作が多かったりと、多くの問題があります。 C/C++ にプリプロセスというフェーズがあるのはソースの portability を確保することが主な目的ですが、 プリプロセスが逆に portability を阻害する結果もしばしば生んできているのです。

mcpp は次のような C/C++ プリプロセッサです。

• C90, C99, C++98 のすべてに対応している。
• C/C++ プリプロセッサの詳細で網羅的なテストをする検証セットが付属している。 これを適用すると、mcpp は多くのプリプロセッサの中で抜群の成績を示す。
• 診断メッセージが豊富で的確である。潜在的なバグや portability の欠如など、ソースのプリプロセス上の問題点をほぼすべてチェックすることができる。
• デバッグ情報を出力する各種の #pragma ディレクティブを持っている。
• Portable である。GCC, Visual C++ 等、UNIX 系・Windows 系の多くの処理系に対応している。
• 各種の仕様の動作モードを持っている。
• 処理系のプリプロセッサに取って代わって動く処理系専用版と、どの処理系からも独立した処理系独立版の双方がある。 何らかのメイン・プログラムからサブルーチンとして呼び出すためのサブルーチン版もある。
• 日本語版と英語版の充実したドキュメントが付属している。
• BSD-license によるオープンソース・ソフトウェアである。

mcpp はたぶん世界一優れたＣプリプロセッサです。

mcpp と検証セットの概要を知るためには、次のドキュメントをご覧ください。

• mcpp-summary-jp.pdf

mcpp プロジェクトは情報処理推進機構(IPA) の 2002 年度「未踏ソフトウェア創造事業」に採択され、 さらに 2003 年度にも継続して採択されました。 そして、作者はその開発成果によって「天才プログラマ/スーパークリエータ」 という評価を受けることができました。 「未踏ソフトウェア創造事業」については次のところをご覧ください。

• 未踏ソフトウェア創造事業

mcpp の最新版は V.2.7.2 (2008/11) です。

mcpp は 2006/04 から SourceForge にあります。 mcpp project の入り口はこちらです: Summary Page

バグレポート・コメント・質問等はこちらにお願いします: Open Discussion Forum

多くのＣプログラマの皆さんのコメント・討論・開発参加をお待ちしています。

このページの最終更新日: 2008/11/30

松井 潔 kmatsui